宝善院

 加持山宝善院霊山寺は、加賀の白山(山岳信仰)の開山でも知られている福井県出身の泰澄大師が、今を去る千百五拾有余年の昔、天平神護年間(西暦765年~767年)、この地に十一面観音様を勘請、人々の除災招福を盛んに祈念され、更に行基菩薩御作と伝う薬師如来、日光・月光両菩薩を祀りし、その名も泰澄山瑠璃光寺、加持山霊山寺として開山された真言宗の寺です。

本堂

 以来、江ノ島や、津村などと深く係わりつつ、明治維新まで、津村龍口明神社別当として、この地の信仰の中心をなし、今日に至っています。現在の堂宇は、昭和48年(西暦1973年)、宗祖弘法大師御生誕壱千百五拾年の記念事業として改築されたものです。

山門
本堂

 山門手前左でお地蔵様がお迎えしてくれます。山門を入ると正面に本堂、左に客殿と弘法大師様、右に庫裏、更に大師堂があり玄関奥に観音堂が配置されています。

 開山の泰澄大師は、白山で修験道の修行を行い、白山の神を祀り、それまで素朴な山岳信仰だった白山信仰に、仏教的な意義付けをしたと云われています。また、江ノ島神社や 龍口明神社などにも籠もり修行したと伝えられています。

 ご本尊の薬師如来は聖徳太子の作と伝えられていますが、最近の調査では鎌倉前期に作られたのではないかと言われています。又、十一面観音も室町時代の作ではないかとも言われています。

庭園
庭園

 江ノ島神社が金亀山与願寺(「江嶋寺」京都仁和寺の末寺)と称されていた頃 「金亀院(上之坊)」「岩本院(中之坊)」、「下の坊」がありました。宝善院境内の小高い場所に金亀院・岩本院歴代住職のお墓があります。

 また、五頭龍(ごずりゅう)を御神体とする「龍口明神社」も、開山の泰澄大師 以来関わりがあり寺領も「龍口寺」付近までがあったようで、江ノ島やこのあたりの地名である津村そして龍口明神社別当でもあった当時の寺勢がうかがえます。

大師堂
大師堂

引用:鎌倉のお寺さん(21)